春のパン絵本まつり
「たんけん!本のまち」とは
子育て中の親たちが、新しい本との出会いにつながるような特集や、おすすめしたい子どもの本の感想をご紹介しています
春のパン絵本祭り
こんにちは。
「ことり絵本堂」の笹原ゆうです。
3歳の息子がパンの絵本を手に取ることが増えました。
パンの絵本は読んでいて、とても癒されるんですよね。
パン屋にずらっと並んだパンを見るのも、パンづくりでコネコネしてるのを見るのも、思わず顔が緩んでしまう。
パンの絵本って、なんか幸せ感じるなぁ。
この機会にせっかくなので、美味しく楽しい “パン絵本” をご紹介したいと思い、思い入れのある11冊をピックアップしました。
ことり絵本堂の「春のパン絵本まつり」、さあ開幕です✨
<絵本の対象の目安>
①②・・・赤ちゃんから
③-⑥・・・2歳ごろから
⑦-⑩・・・4歳ごろから
⑪ ・・・パン好きみんな
今回ご紹介するパンの絵本に関するコメントや パンにまつわるエピソードを、メンバーシップ「ファミリーライブラリー」の皆さんからお寄せいただきました。併せてお楽しみください。
① ぽんちんぱん
ぽんちんぱん
作:柿木原政広
出版社:福音館書店
初めてのパン絵本なら 『ぽんちんぱん』に決まり!
「ぱんぱん しょくぱん ぽんちんぱん」
「ちぎちぎ ぱっぱで ぽんちんぱん」
リズミカルにぱっぱとパンをちぎっていくと、
現れ出たのは なんとも微妙な「パンのかお」。
ゆるキャラより数倍ゆるい 間抜けな顔のパンが次々登場し、親子で笑ってしまいます。
「なにこれー!」と子どもの反応もよくて盛り上がる!
テンポがいいのでまだ話せない赤ちゃんの読み聞かせにもおすすめです。
② サンドイッチサンドイッチ
サンドイッチサンドイッチ
作:小西英子
出版社:福音館書店
気持ちもシャキッとするサンドイッチ絵本!
ふわふわパンにバターをたっぷりぬって、
レタスにトマト、チーズを順にのせて。
サンドイッチを作っていく光景が色鮮やかに描かれている絵本です。
次々登場するフレッシュな食材にまだ小さい子どもも前のめり。
読み聞かせる大人も、マヨネーズのあのCMを見ているかのようで、気持ちがシャキッとしますよ。
完成したサンドイッチは本当に美味しそう!
「いただきまーす!」でお子さんとパクパクしちゃってください。
③ パンどうぶつえん
パンどうぶつえん
作:Coppe
出版社:教育画劇
「どうぶつパン」ならぬ「パンどうぶつ」を探せ!
「どうぶつパン」はパン屋でよく見るけれど、
この絵本で出会えるのは、なんとも不思議な「パンどうぶつ」たち。
あれっ、ヤギのツノがクロワッサンに!
鹿のツノは立派なプレッツェル!
うさぎの耳はパリパリのバゲッドだー!
「次は何が?」「こんなのアリ?」と親子でツッコミながらページをめくる楽しさがあります。
「動物の中にパンがかくれんぼ」という感じではなく動物よりもパンの主張がだいぶ強い🤣
ここでしか会えない「パンどうぶつ」、親子で探してみてくださいね。
パンにまつわるエピソード
7歳くらいのころ、45年ほども前の話ですが、菓子パンに「みかんの缶詰」の、みかんの粒が3つほど乗ったあま~いパンがありまして。記事はデニッシュっぽかった記憶。みかんが乗る部分には砂糖の白いカタマリ。しょっぱい物の方が好きな私はほぼおかずパンを選ぶのですが、それだけは甘くても買ってもらっていました。
昔はあちこちのパン屋でそれを見かけたけど、だんだん消えていって、最後はそれだけのために通い詰めたパン屋がありました。それも私が中学に入るころにはなかったと思います。みんなはそんなに好きじゃなかったのかなあ??😂 懐かしく思い出してしまいます。
(かわせみ かせみ)
④ どうぶつパンパン
どうぶつパンパン
著:ザ・キャビンカンパニー
出版社:白泉社
愛らしい「どうぶつパン」が楽しそうに動き出す!
ちょっとレトロで独特な雰囲気のお店の中をのぞくと、テーブルの上に大きなパン生地が一つ。
もにゅんと動き出した生地はどうぶつの形になって、自らオーブンに飛び込んで「チーン!」。
こんがり焼けたあとは、みんな自由に活動を始めるのです。
ぞうパンはおなかにクリームを入れちゃおうと、ごくごく。
かたつむりパンはマヨネーズで、ぐるぐるお絵かき。
くまパンは 体にチョコを塗って、パンダパンに変身。
へびパンはソーセージを丸飲み!
子どもが大好きな「どうぶつパン」を思う存分楽しめちゃう絵本です。
オシャレなパン屋は異国のようにカラフルで、お店に並ぶどうぶつパンもみんな誇らしげで美味しそう。
こんなパン屋があったら、常連間違いなしです。
⑤ ノラネコぐんだん パンこうじょう
ノラネコぐんだん パンこうじょう
著:工藤ノリコ
出版社:白泉社
読むほどクセになる!やめられない、ニャー。
ワンワンちゃんのパン工場をのぞいているノラネコぐんだん。
「パン ああやってつくるんだ
かんたんだね かんたんだよ ニャー ニャー」
夜中に忍び込み材料を探して、見よう見まねのパン作り。ふくらし粉いっぱいのパンはどんどんふくらんでいく。
ついには、パン焼きがまごとふくらんで・・・ドッカーン!!!ここからは「ノラネコぐんだん」お馴染みの展開、反省シーンが始まります。
最初に読んだ「ノラネコぐんだん」がこの絵本で、家族みんな大好き。もう100回くらい読んでいるかもしれません。
ほのぼのした絵にいつも癒されて、「あのお客さんが・・」「このパンが・・」と細かいところまでツッコミながら親子で読んでいます。
何度読んでも飽きない、クセになる面白さがありますよ。
パンにまつわるエピソード
私の子どもの頃の近所のパン屋には「5円ドーナツの日」があって、それがまた美味しくて毎度行列でした😆
東京に来てから必ず買うのは神戸屋キッチンのハロウィンパイです🎃 時期になると、今年も食べなきゃって買いに走ります🏃♀️
(笹原ゆう)
⑥ パンどろぼう
パンどろぼう
著:柴田ケイコ
出版社:KADOKAWA
サササッ!パンになりきり逃げる姿は見逃せない!
まちのパン屋からこっそり焼きたてパンを調達するのは、食パンに扮した「パンどろぼう」。パン屋では売り物のパンになりきる「かくれみの術」を使って、お目当てのパンを狙います。
パン屋のおじさんがあっちを向いたらサササッとお目当てのパンに移動、
こっちを向いたらピタッと止まり売り物パンになりきるシーンが息子のお気に入り。
私があっちを向くと息子は「サササッ」、こっちを向くと後ろを向いて「ピタッ」。楽しそうに「パンどろぼう」の真似を披露してくれます。
そして、せっかく手に入れたパンが「まずい」。。😂
大人気シリーズ「パンどろぼう」、我が子も大のお気に入りです。
〈 メンバーシップのコメント 〉
息子が年少さんのころ園の先生に読んでもらったらしく、よっぽど面白かったのか思い出し笑いをしながら「こんな面白い絵本があったんだよ〜くふふふ」とお話ししてくれました。
その姿が可愛くて可愛くて(親バカです)、すぐ購入しました。
パンどろぼうを開くと息子がくふふふと笑っている姿も思い出します。 絵もストーリーもかわいいですよね、私もハマって、LINEのスタンプもゲットしました😊♪
「パンどろぼう」、最近の絵本なのですよね。話題になったけどどんなかなあと思っていたので、紹介文を読んでやっぱり読みたくなりました😊
⑦ パンやのコナコナ
パンやのコナコナ
著:どい かや
イラスト: にき まゆ
出版社:ブロンズ新社
小麦からこだわって作る、愛情たっぷりの自家製パン♪
『パン屋のコナコナ』の作るパンの美味しさの秘密は、小麦の粉。
裏の畑で育った小麦を使った自家製パンが自慢です。
なんとこの絵本はパンを小麦から作る工程が見れちゃうのです!
小麦の種まきや収穫の様子、木の実を使った酵母づくり。
「こんなふうに育った小麦がピカピカの麦粒になるんだね」
「この酵母が夜中にパンの生地を膨らませてくれるんだって」
パンづくりの工程は見ていて楽しく、大人も子どもも興味津々。
なにより絵がかわいくて、いたるところに優しさが感じられ、読んでいるとほわほわと幸せな気持ちになれます。
こんなに愛情たっぷりに作られたパン、そりゃ絶対美味しいよね。
⑧ からすのパンやさん
からすのパンやさん
著:かこさとし
出版社:偕成社
こんなのまで!カラス親子の作る「へんてこパン」に注目!
カラスのパンやさんのうちに4羽のあかちゃんが生まれます。
子育てが大変で、パン屋の仕事はうまくいかず、お客さんは減るばかり。
でも元気に育った子どもたちは、友達におとうさんとおかあさんの作る「おやつパン」を自慢して宣伝します。
すると評判が評判を呼び、カラスのパン屋は大繁盛!
じどうしゃパン、テレビパン、やかんパン、たけのこパン、ピアノパンに だるまパン、・・。
カラス親子の考案したパンは、その数なんと80種類以上も!
どれもかわいいパンなので、「こんなのまである!」「ママはどれにする?」と子どもと話が弾むこと請け合いです。
もう一つの見所は個性豊かなカラスたち。
一匹一匹違うカラスのお客さんを見ていると、みんなここのパンを買ってそれぞれの家に帰るのかな、と微笑ましくなりますよ。
〈 メンバーシップのコメント 〉
私が子供のころ好きだった絵本です。好き過ぎて子供ができてからまた買いました。
息子は私と絵本の好みがちがうけど、何度か読んで「どのパンが好き?」と、私が子供のころと同じ楽しみ方をしてみました。
何度か「読んで」と持ってきてくれて嬉しかったです!
夫が子どもの頃に読んでいた「からすのパンやさん」が、30年の時を経て我が家の本棚にあります。子どもたちもお気に入りの一冊!
⑨ どんぐりむらのぱんやさん
どんぐりむらのぱんやさん
作:なかや みわ
出版社:学研プラス
大変だけど楽しそう!ぱんやのお仕事をのぞいてみよう。
保育園に通うぱんやの子ども、兄のこっぺと妹のくっペ。
新作パンが完成せず約束していた遊園地が延期になり兄妹は大泣きします。その夜、こっぺとくっぺは両親を手伝うためこっそり起きてパンづくりを始めるのです。
色々なお仕事を知れる人気の『どんぐりむら』シリーズの1冊。
悩みながら仕事と子育てに励むどんぐりの両親の姿には、「どんぐりたちの日常も色々あるよね」と共感してしまいます。
家族でパンづくりをするどんぐりたちも微笑ましいし、ストーリーがわかりやすく親子でゆったり楽しめます。
ちょっと長めの絵本を読み始めるお子さんにおすすめです。
⑩ おひさまパン
おひさまパン
著・イラスト:エリサ クレヴェン
翻訳: 江國 香織
出版社:金の星社
絵が素敵でうっとり。何度も読み返したい心が晴れる絵本。
寒くて暗い町で、動物たちはおひさまが出るのを待っています。
パンやさんもおひさまが恋しくて、金色の生地をこねて「おひさまあじのとくべつパン」を作ります。
おひさまパンが焼けたいい匂いに、集まった動物たち。
パンやさんが動物たちにパンを分け与えると、動物たちは心浮き立って話になって歌い踊り始めるのです。
すると、ついに本当のおひさまもやってきて。。
この絵本は最近ベーカリーカフェで手に取り、あまりにも絵が素敵で私がとても気に入ってしまい、本屋で即買いしました。
もう絵を見ているだけで、ミュージカルを見ているかのようなんです。
寒い冬にうんざりしていた動物たちが 生き生きと踊り出す様子を眺めていると、自分の心にも虹がかかったように気持ちが晴れ晴れしますよ。
江國香織さんの訳も美しく、何度も読みたくなります。
3歳の息子に読み聞かせるときには、ちょっと難しい表現は言い換えたりしていますが、子どもはすっかり絵に夢中のようです。
⑪ パンのずかん
パンのずかん
著:大森裕子
監修:井上好文(日本パン技術研究所)
出版社:白泉社
「パン好き」を名乗るなら、この絵本をおともに!
見ているだけで幸せになれる図鑑といったら、これでしょう。
しかくいパン、やまがたパン、ながいパンに、まきまきパン。
各国を代表する自慢の美味しいパンたちがずらっと並び、見ているだけでお腹が空いてきます。
本物のような絵でリアルだけれどほんわり温かく、見ていて心が弾みます♪
フランスパンの見分け方、「クイニーアマンは失敗から偶然生まれた」などのミニ知識など、一言なのにかゆいところに手が届くパンの紹介文も嬉しい😆
年齢関係なくパン好きなら持っていて損はない、オススメの1冊です。
「春のパン絵本まつり」楽しんでいただけましたか?
お好みの本がありましたら、ぜひご賞味くださいね😊
パン絵本にまつわるエピソードやご感想などあれば、お気軽にコメントをもらえたら嬉しいです♪
ブックガイド
ことり絵本堂 笹原ゆう
3歳の息子と小学生の娘の母。
家のソファや階段に腰かけて、子どもと絵本を読む時間が好き。
お気に入りの絵本や気付きのあった絵本を中心にご紹介しています。
メンバーシップ「ファミリーライブラリー」
『たんけん!本のまち』では、noteメンバーシップの制度を利用して、“子ども本の情報交換“や“子育て中ならではの雑談”を気軽に楽しむことで、子育て家庭 と 家族みんなの本棚(ファミリーライブラリー)が もっと身近になる コミュニティを運営しています。
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図書館でぽんちんぱんを借りて
こどもがすごく気に入ったので、買いました。
他の本もこれから参考にさせていただきます。
くらしっくさん、コメントありがとうございます♪
『ぽんちんぱん』、お子さんが気に入ってよかったです😆
絶妙なリズムで読み聞かせも楽しいですよね。
うちの息子も毎度「なにこれー!」とツッコミながら笑っています。
紹介した絵本を手に取って頂いて、とても嬉しいです😊