しろいうさぎとくろいうさぎ
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あらすじ・感想・おすすめポイント
しろいうさぎとくろいうさぎ
文・絵:ガース・ウィリアムズ
訳:まつおか きょうこ
出版社: 福音館書店
ハッピーなうさぎ年の始まりに。うさぎの言葉に心がぽっとなる絵本「しろいうさぎとくろいうさぎ」
うさぎ年が始まりましたね。
うさぎの絵本というと、真っ先に思い浮かべるのはこの「しろいうさぎとくろいうさぎ」。
黒いうさぎの告白に、目をまんまるくする白いうさぎの表情があまりにもキュートなんです。
どんな絵本?
白いうさぎと黒いうさぎは広い森のなかで2ひきで一緒に遊んでいます。
でも時々 黒いうさぎは悲しそうな顔をするのです。
「どうしたの?」白いうさぎが聞くと、
黒いうさぎは考えごとをしていたと話します。
せっかく一緒に遊んでいるのに、ふと見ると悲しげな黒いうさぎ。
白いうさぎは気になって、
「さっきから、なにをそんなにかんがえてるの?」と聞くと、
黒いうさぎは願いごとをしているんだというのです。
その願いはなんと、
「いつもいつも、いつまでも、きみといっしょにいられますように。」
黒いうさぎの告白に驚き、目をまんまるくする白いうさぎ。
そのあとの白いうさぎの返事で、今度は黒いうさぎの目がまんまるくなり。
ハッピーな展開に思わずニヤけてしまいますよ。
うさぎの告白に心がぽっとなる!
この絵本は1965年発行のアメリカの名作で、静かでどこか物憂げな独特の世界観があります。
森の中にそっと入って、うさぎの様子をこっそりうかがうような、そんな感じがあるんですよね。
悲しげな黒いうさぎを心配して見守っていると、思いがけない告白に遭遇してキュンとなり、さらに白いうさぎの返事に心がぽっとなる。
えっ、この絵本、ラブストーリーだったの?
知らずに子どもに読み聞かせをしていたら、途中で気恥ずかしくなる人もいるかもしれません。
でもこの心がくすぐったくなる感じが、またいいんです!
育児に追われて忘れていた甘酸っぱい感覚が蘇って、「あぁ、いいなぁ」とほっこりしますよ。
まんまるの目で誓い合う姿がキュートな、2ひきのうさぎの絵本。
うさぎ年の始まりに、ぜひ読んでみてくださいね。
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この記事を書いたブックガイド
ことり絵本堂 笹原ゆう
3歳の息子と小学生の娘の母。
家のソファや階段に腰かけて、子どもと絵本を読む時間が好き。
お気に入りの絵本や気付きのあった絵本を中心にご紹介しています。